北ア南西部周辺(岐阜) 池ノ尾山(1530.9m) 2020年5月23日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 4:36 第一ゲート−−5:41 第二ゲート−−6:10 日暮谷橋跡(迂回路) 6:21−−6:36 発電所入口−−6:52 巡視路入口−−7:12 送水管上端−−8:18 池ノ尾山 8:52−−9:33 送水管上端−−9:44 林道−−9:58 発電所入口−−10:12 日暮谷橋跡(迂回路) 10:21−−10:49 第二ゲート−−11:45 第一ゲート

場所岐阜県高山市(旧上宝村)
年月日2020年5月23日 日帰り
天候曇時々晴
山行種類籔山
交通手段マイカー
駐車場ゲート前に広い駐車スペースあり
登山道の有無無し
籔の有無大半が笹藪。ただし高さは腰程度で密度もそれほど高くない。一部のみ藪が濃い
危険個所の有無無し
山頂の展望樹林で展望悪い
GPSトラックログ
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コメント黒部五郎岳の枝尾根末端付近の山。林道歩きが長いが途中の橋が崩落して徒歩でも沢を渡れず焦ったが、徒歩用迂回路ができていて助かった。発電用送水管上端から山頂までは道の無い尾根だが予想外に藪は薄く歩きやすかった。ただし山頂は灌木藪に覆われる


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第一ゲートが起点 第一ゲート前の駐車スペース
この番号は待避所番号か? 林道に屋根のように飛び出した岩
第二ゲート トンネルはこんな感じのものが多い
造林小屋 キロポスト。起点がどこなのか不明
道端に塞がれたトンネルらしき構造物がたくさんある ガードロープの支柱は森林鉄道のレール。林道は軌道跡か?
廃トンネル。林道は巻いている 廃トンネル出口
何故かこんな標識が登場。まだ林道は長いのに・・・ 工事現場の標識
工事現場。追い越されたワンボックスが駐車していたが無人 日暮谷橋が無い!!
橋の両岸は絶壁で降りられない プレハブ前から迂回路あり。助かった!
迂回路は立派に整備されている 階段、梯子も整備され安全に迂回可能
橋がかかっていた場所。両岸とも切り立った岩壁 人間は迂回路、荷物は索道で対岸へ
対岸の駐車場。橋が架かるまで林道外に出られない車 この重機も林道外に出られない。給油はどうするのだろう?
こんなトンネルが数か所ある 発電取水用堰堤
池の尾発電所入口 池の尾発電所。林道から離れた場所にある
中ノ俣川にかかる橋 橋を渡ってすぐに2台の車あり
金木戸神社 変な建物
ヘリポートとのこと 送水管との交差ポイント。巡視路が無く上部の林道へ
対岸から見た池の尾発電所 林道分岐。ここで鋭角に右折
林道分岐の標識。直進は「北ノ俣」、右は「広川原」 こちらの林道も良好
送電線巡視路入口 送電鉄塔から法面縁を横移動
送水鉄管横の階段を上がる。段差が高く登りは苦痛 送水管上端部
この小屋の下から水が地上に出る 短い水路で鉄管に入る。かなりの水量
巡視路から藪尾根に突入 謎の黒いホース
標高1200m付近。予想より藪が薄い 標高1250m付近。傾斜が急で岩が登場
標高1250m付近。コース中で最も藪が濃い 標高1250m付近の石楠花。ここしか石楠花は無かった
標高1280m付近。人工的な切り口 標高1330m付近
標高1330m付近の目印 標高1390m。小鞍部あり
標高1430m付近 標高1500m付近。最後の急登
池ノ尾山山頂 三角点
地面に落ちた山頂標識。14年も前でパウチ加工は長持ち 気温は約+12℃
山頂から北に延びる尾根。下山時引き込まれぬよう注意 標高1330mの倒木
送水管上端に到着 帰りは北側の送水鉄管脇を下った
下ってきたルートを見上げる 素掘りのトンネル
トンネルの途中から中ノ俣川にかかる橋あり 橋にはレールが残っていた。林道は森林鉄道跡で正解だった
金木戸川の清流。本当に透明度が高い 日暮谷橋迂回路。登り返しがつらい
日暮谷橋索道支点。木を傷めないよう配慮されている 迂回路入口。関係者じゃないけど使わせてもらった(汗)
帰りは第二ゲートは閉じていた(施錠無し) 冷風が噴き出す穴。天然クーラー
第一ゲート到着。今日は良く歩いた!


・池ノ尾山は黒部五郎岳から南西に派生する尾根の末端付近に位置する。当然ながらこんな場所には登山道は無いが金木戸川沿いに林道が通っているので、奥地にある割にはアプローチはいい。ただし、ネットの記録によるとこの林道は双六ダム付近にゲートがあって長い林道歩きが必要とのこと。理想的には林道には雪が無く山に雪が残る時期だが、林道から山頂までの距離は大したことがないので雪が無くても登れると予想。ただし、気温が上がって藪が盛大に芽吹く前に登ってしまうのがいいだろう。今はちょうどその時期だ。

・安房トンネルを抜けて神岡方面へ下り、飛越新道へ向かう時に利用する双六川沿いの道へ入る。まだ雪が残っているのか「有峰へは行けません」との注意書きあり。

・原集落で県道を離れて双六川沿いの細い路地を奥へ。双六ダムでゲートが登場すると思いきや、何もなくフリーパスで奥へ。そしてダムから約800m地点、水力発電所の先で施錠されたゲートが登場。これでも計画より1km近く短縮できた。地形図上で測定したら双六ダムから歩くと概算で9kmくらいだった。

・ゲート前は広場になっていて数台が駐車可能。日中に木陰になる場所を駐車場所として確保できた。これからの時期は寒さよりも暑さが問題になる。

・今回のルートでは今の時期は残雪の心配は無いので雪装備は無し。日中は暑いくらいになるだろうと防寒装備も削る。いざとなったら雨具を防寒に使用すればいい。藪が朝露で濡れている可能性があるので安物の雨具を持っていく。足元は長靴にするか登山靴にするか悩んだが、平地歩きが長く、ゴムで重い長靴よりも軽い登山靴が有利と判断し、防水性能が劣化した古い登山靴とした。

・初めは長い林道歩き、というより大半が林道歩きと表現するのが正しいか。往復で20km近くあり、片道2時間半くらいかかりそう。傾斜が緩やかなので自転車があると有効だが、残念ながら私には車に積載できる自転車が無い。この時代なら電動アシスト自転車が最適解だろう。

・林道は路面状況は良好で普通車でも普通に走行できるレベル。頻繁に車両が入っている証拠だ。所々に短いトンネルがあり素掘りにちょっとだけコンクリート吹付だった。主に花崗岩をくり抜いて作られれていて頑丈そうだった。そういえば黒部五郎岳山頂付近も花崗岩だらけだったので、この山の基部は花崗岩らしい。

・第一ゲートから4.4km付近で2番目のゲートあり。ここは往路では開いていたが帰りは閉じていた。鍵はかかっていないが非常に動きが渋く、鍵が無くとも開けるにはコツが要りそうだった。

・林道歩きの途中で白いミニバンが追い越して行った。少なくとも午前中に林道に入った車はこの1台だけだった。

・林道の簡易ガードロープの支柱としてミニサイズのレールが使われていた。もしかしたらこの林道は森林鉄道跡なのかもしれない。この予想は帰りに正しいことが証明された。

・このまま尾根取り付きまで普通の林道歩きと思ったら大どんでん返しが待っていた。標高990m付近の沢(日暮谷と呼ぶらしい)にかかる日暮谷橋がきれいさっぱり消失していた。しかも橋の両側は垂直の岩壁で登り下りは不可能。行き詰ったと思ったら橋の手前の工事業者プレハブの前に迂回路が設置してあった。ラッキー! 後で分ったが、崩落した日暮谷橋より奥にも作業で入る業者が複数おり、その人のための迂回路だった。

・日暮谷橋付近は岩壁が続くので迂回路は大きく高巻きしていた。階段、梯子、手すりが整備され、山に慣れていない人でも安全に歩けるように配慮されていた。しかし、通勤のたびに毎度これだけの体力を強制的に使わされるのは相当な苦労だろう。

・帰りに気付いたが、作業に必要な重い機材を担いで迂回路を上り下りしなくていいように索道が設置されていた。索道の操作の難易度は知らないが、荷物運搬が必要な人が各自で操作するようだ。

・消失した橋の対岸は短いトンネルで、それを抜けると車が3台駐車してあった。当然ながらこの車は下界に下るのは不可能で、日暮谷橋より奥の現場への往復専用らしい。発電所近くで2台の車が駐車してあり、合計5台が林道に取り残された状態。ただし、そのうち4台がナンバープレートが外されていて、もしかしたら橋の崩落後にヘリ等で運び込まれたのかもしれない。工事現場の標識を見た限りでは3年前に橋が通行不能になったようだ。

・追い越された車は迂回路入口に駐車してあったが人の姿は無く、どうやら迂回路で橋の先に渡って別の車で作業現場へ向かったようだ。橋の先に真新しい轍があった。

・この先は危険個所は無く池ノ尾水力発電所に到着。正確には発電所は林道から離れた場所にありトンネルでつながっている。この発電所に送水している鉄管に沿って登る計画だ。

・中ノ俣川にかかる橋を渡るとナンバープレートの無い2台の車が駐車中。その先に小さな金木戸神社あり。さらに進んで林道分岐点で鉄骨構造の壁のない平たい構造物が登場。帰りに判明したがヘリポートとのこと。しかし平地ではなくわざわざ鉄骨で地面より高く作った平坦な屋根状にしたのだろうか。これでは荷物の積み下ろしはほぼ不可能だ。人間が行き来できる梯子はあるが、重い荷物を持って通過できるような代物ではない。

・鋭角に左に分岐する林道を緩やかに上がると送水鉄管が登場。しかしその脇には巡視路は無く、岩や藪交じりかなりの傾斜で登るのは厄介そうなので、ここから取り付くのは止めてこの上を通っている林道から取り付くことにした。

・素掘りのトンネルの目前で右に鋭角に林道が分岐。ここには珍しく案内標識が立っていて、直進は「北ノ俣」、右は「広川原」だった。どこを示すのかは私には分らない。

・送水管の手間で送電線巡視路が斜面を上がっていた。この道は手入れが行き届いて道幅は広く藪は皆無。ただし、送電線はすぐに送水管から離れてしまうため巡視路は短く、送電鉄塔から横に延びるコンクリート法面上部を歩いて送水鉄管へ移動する。

・送水鉄管横には管理用階段が延びているが、傾斜が急で一段当たりの段差が大きく登りでは疲れる。こちらは下りで使う方がいいだろう。

・登りきると水平になって土手のようなコンクリート構造物に送水鉄管は潜り込む。巡視路はその左側を通って送水用トンネル出口へ。大量の水がうねって流れている。金木戸川の水の透明度は非常に高いが、水力発電用の水も青く透き通っていた。

・道があるのはここままで、この先は道が無い尾根を登っていく。地形図を見るとここから北西にも送水鉄管が描かれていて、そこに下る道の途中が尾根入口。ブナの幹に赤ペイントがあるが踏跡はなく灌木藪。幸い、藪は朝露に濡れていないので雨具不要。

・尾根の登り始めはまだ人工物が登場する。破損した謎の黒いパイプが尾根を横断し、コンクリート片が見られる一帯は藪が無く歩きやすい。この先から本格的な登りが始まる。

・このエリアは富山県境に近く、標高は1200mを越えるので冬季の積雪量はそれなりにあると思われるが、想定以上に藪が薄くて歩きやすい。主に笹がメインだが高さは腰程度で密度はそれほどではなく、根曲り竹は混じっていない。尾根の地形ははっきりしているので下りでも迷いにくいだろう。

・標高1240m付近は唯一傾斜がきつく、岩が混じって藪も濃い。通常は傾斜がきついところは藪が薄いのだがここでは逆パターン。傾斜が緩めば藪の状態も元に戻る。

・この尾根は池ノ尾山への一般的なルートと思われ、白い荷造り紐の古い目印が散見された。ただし、単調な尾根なので目印は不要だろう。今回、役に立った目印は無かった。

・倒木は比較的多いが、尾根が痩せていないので迂回可能。それほど古く見えないので、そおらく昨年の台風の影響だろう。

・この尾根は植林はされていないが過去に人の手が入ったようで、切り口が平らな木が数か所で見られた。ただし、刈払われた形跡はそれだけで、おそらく刈った規模はごく小さかったようで道のような形跡は皆無だった。

・長い林道歩きで疲労が出て、山頂付近では藪が軽い割には足が重かった。登り切って傾斜が無くなると池ノ尾山山頂。笹と灌木藪に覆われているが、三角点周辺だけはかろうじて地面が出ていて三角点と地面に置かれた山頂標識が容易に発見できた。山頂標識は普通紙をパウチ加工したものだったが、日付は平成18年11月5日。14年も前の物でびっくり! パウチ加工は思ったよりも丈夫らしい。劣化は皆無ではなく多少浸水して黒カビが生えた部分もあるが、文字は十分に読み取り可能だった。

・三角点周辺は藪が煩く休憩に適さないので、少しだけ奥に進んで灌木藪を抜けると低く薄い笹に変わりこちらで休憩。位置的には北アのすぐ近くなので黒部五郎岳や双六だけ、笠ヶ岳辺りが見えるはずだが、残念ながら樹林で展望は悪い。

・もう気温が上がって山の上でも虫が飛び回るようになった。これからは防寒対策ではなく虫避けスプレーが必需品だ。「強制風冷」用の扇も必要だな。気温は約+12℃だが休憩していても薄手の長袖シャツだけで寒さを感じない。

・帰りは往路を戻って送水管上端に至り、帰りは北西に落ちる送水管沿いを下ってみた。かなりの傾斜で往路よりも斜度があるように感じたが、階段の1段当たりの高さは低く下りではまどろっこしいほどだが、登りだと足に優しいだろう。登りはこの送水管を登り、下りは段差の大きい西側の送水管を下るのが賢い選択と見た。

・林道に出て少し下るとトンネルの途中で右に道が分岐し中ノ俣川橋が架かっていたが、この橋には森林鉄道サイズの線路が残されていた。枕木は比較的新しそうに見えたので、もしかしたら一部の路線は遅くまで残されていたのかもしれない。これで林道は森林鉄道跡と判明した。どうりでこのエリアだけやたらと奥まで林道が延びていたわけだ。

・日暮谷橋の迂回路で高巻きして対岸の林道へ着地。往路で追い越された車はそのままで、まだ作業中らしい。他に車は増えていなかったので、本日進入した車は1台だけらしい。

・帰りの第二ゲートは閉じていた。追い越した車に乗った人が通過後に閉めたのだろう。構造を確認すると鍵は無いのだが開かない。どうやら建付けが悪くどこかに力をかけないと開かないようだ。横にスペースが無いのでゲートを乗り越えた。

・林道はほとんどが水平移動なので帰りも足が重い。最後は緩やかな下りになって少し楽になる。第一ゲートに到着すると車が1台増えていた。渓流釣りだろうか。睡眠時間が短かったので昼飯を食ってしばし昼寝。日陰だと適度な気温で心地よく眠ることができた。

 

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